業績予想の上方修正で株価が急騰したフジクラ(時事通信フォト)
5月中旬に発表された慎重な今期業績予想を受けて株価が急落する「フジクラショック」からわずか1か月あまり。6月18日にフジクラは業績予想を大幅上方修正し、翌日は終日買い気配のまま推移し、15.69%高と制限値幅の上限で分配された。AIデータセンター向けの光ファイバー需要急増により、フジクラ、そして住友電工、古河電工の「電線御三家」には強い追い風が吹いているが、その利益構造にどのような違いがあるのか。何がフジクラの高い利益率を生み出しているのか。
目次
この1か月で何が変わったのか
まず見ておきたいのは、フジクラの上方修正が単なる小幅な見直しではなかったことだろう。同社の2027年3月期通期連結業績予想は、5月14日の決算発表時点では売上高1兆2430億円、営業利益2110億円だった。そこからわずか1か月あまりで、売上高1兆4620億円、営業利益3100億円に上方修正された。営業利益は990億円増え、前回予想比の増減率は46.9%に達する。
前回決算発表時点では、約17.0%とされていた2027年3月期における営業利益率の通期予想は、今回修正予想ベースでは約21.2%となり、2026年3月期実績の約16.0%から見ると、約5.2ポイント上がる計算だ。売上の上振れも大きいが、より目立つのは利益の伸びである。
同社が修正理由として挙げたのは、情報通信事業における想定していなかった大規模なクラウドやデータセンターを運営する巨大事業者向けの光通信部品の受注に加え、販売価格の改善だ。そこに、光ケーブルの急峻な増産に伴って懸念されていた一部原材料調達不足の影響緩和が重なった形だ。
利益率で見る電線御三家の差
フジクラ、住友電工、古河電工の「電線御三家」。同じ追い風を受ける3社でも、売上高に対して営業利益がどれだけ残るかを示す営業利益率で見ると、景色は異なるようだ。
2027年3月期通期予想ベースで見ると、住友電工は売上高5兆3000億円、営業利益4250億円で、営業利益率は約8.0%。古河電工は売上高1兆4600億円、営業利益950億円で、営業利益率は約6.5%である。
もちろん、各社の事業構成は異なる。住友電工は全社売上規模がフジクラより大きく、古河電工も情報通信部門だけで企業全体を語ることはできない。それでも、同じ売上高・営業利益・営業利益率という物差しで並べると、フジクラの収益性の高さがはっきりうかがえる。
では、その差は情報通信事業そのものの採算差なのか。それとも、高採算事業が全社の中でどれだけ大きいかという「濃度」の差なのか。
※本記事作成には一部に生成AIの技術を活用しています。
