「合コンは誰も企画しないし、言葉すら耳にしない」
かつては「友人からの紹介」や「合コン」が出会いのきっかけや場所となっていた。しかし、いまの若者世代にとって、こうした機会は少なくなっているという。関東郊外の私立大学に通う男子学生・Bさん(20歳/法学部)は、「そもそも合コン文化を知らない世代。自分も行ったことがない」と語る。
「親世代は『友達の紹介』とか『合コン』で付き合うのが普通だったみたいですけど、自分たちにはそういう文化があまりないですね。高校時代をコロナ禍で過ごしたので、大人数で食事に行ってワイワイしたりする経験も少なかったですし。そもそも、合コンは誰も企画しないし、言葉すら耳にしませんね」(Bさん)
一方、友人からの紹介についても、Bさんは「コスパが悪い」という。
「友達に紹介してもらうと、うまくいかなかったとき気まずいですよね。紹介してくれた友達との関係もあるし、雑に扱えない感じがするので、結果的に“コスパが悪い”と考えてしまう。その点、マッチングアプリだと最初から赤の他人同士なので、生活圏が脅かされません」(同前)
中高時代をコロナ禍で過ごしたことの影響
こうした意識が広がっている背景に何があるのか。別の大学に通う男性・Cさん(21歳)は、「若い時にコロナ禍を経験した世代特有の感覚」があるのではないか、と分析する。
「僕自身も含め、今の大学生は中学・高校時代にコロナ禍を経験しています。大学に入って以降にコロナに直面した先輩方とは、やっぱり友達づくりの方法とか、同世代とのコミュニケーションの仕方が根本的に違うと思うんです。たとえば僕らの世代は、インスタのDMで初めての会話をしたり、Discordでつながったりと、オンライン上で友人を増やすことに慣れていると思う。
逆に、リアルなコミュニティで一から濃い人間関係を作ることが負担だったり、苦手に感じたりする子も多いと思います。アプリには非表示機能やブロック機能があるので、そこでリスク管理できますが、対面だと一度揉めたら取り返しがつかないので。マチアプに抵抗がないのも、こうした背景があると思います」(Cさん)
マッチングアプリの普及によって、若者の恋愛観は大きく変わりつつある。かつてのように身近なコミュニティ内で自然に恋愛をするよりも、「関係がこじれても生活に影響しない相手」を合理的に選び、後腐れのない人間関係のなかで恋愛をしたいと考えるのがZ世代のリアルなのかもしれない。