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「世界の鉄道指定券販売に革命をもたらした」日本が開発した鉄道座席予約システム「MARS-1」が世界的偉業として認定 PCがない時代に国鉄が取り組んだ“予約管理の自動化”への挑戦

銘板の贈呈式の登壇者。左から日立製作所執行役専務・永野勝也氏、鉄道総合技術研究所理事長・渡辺郁夫氏、IEEEリージョン10歴史委員長・尾上孝雄氏、鉄道情報システム代表取締役社長・池田孝行氏。写真提供:日立製作所

銘板の贈呈式の登壇者。左から日立製作所執行役専務・永野勝也氏、鉄道総合技術研究所理事長・渡辺郁夫氏、IEEEリージョン10歴史委員長・尾上孝雄氏、鉄道情報システム代表取締役社長・池田孝行氏。写真提供:日立製作所

なぜIEEE Milestoneに認定されたのか

 MARS-1がIEEE Milestoneに認定された理由は、記念式典で贈呈された銘板に記されている。その説明をする前に、IEEEとIEEE Milestoneについてふれておこう。

 IEEEは、米国に本部を置く、世界最大の電気・電子分野の専門家組織だ。IEEE Milestoneは、同組織が、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を表彰するものだ。

 日本には、1995年から2026年2月までにIEEE Milestoneに認定されたものが66件ある。その代表例には、八木・宇田アンテナ(1924年)や東海道新幹線(1964年)、野辺山45m電波望遠鏡(1982年)がある。

IEEEから贈呈された銘板。記念式典会場にて筆者撮影

IEEEから贈呈された銘板。記念式典会場にて筆者撮影

 記念式典では、IEEEの代表者(リージョン10の歴史委員長)が、鉄道総合技術研究所や鉄道情報システム、日立製作所の代表者にそれぞれIEEE Milestone認定の銘板を贈呈した。この銘板には、タイトルや成果、重要性が金色の文字の英文で記されていた。以下は、それを翻訳した和文で、プレスリリースで公開された。

《名称:MARS-1 世界初の鉄道座席予約システム,1960年
 1960年、日本国有鉄道は世界初の鉄道座席予約システムMARS-1(電磁式自動予約システム-1)を導入しました。当初は、1日3,600座席、最大15日先までの予約に対応していましたが、その後タスク共有方式のマルチコンピュータアーキテクチャを採用することで適用路線を増やし、1965年には、新幹線の座席予約システムとしても使用されるようになりました。その後も改良が重ねられ、1991年には1日当たり100万枚以上の切符の販売を行うことができるシステムとなり、世界中の鉄道切符の販売に革命をもたらしました。》

 つまり、MARS-1は、世界初の鉄道座席予約システムであり、日本の鉄道のみならず、世界の鉄道に影響を与えた。だから、IEEEがその功績を称え、IEEE Milestoneに認定したのだ。

記念式典の最後に登壇した関係者。MARSの発案者である穂坂氏の家族も登壇した。記念式典会場にて筆者撮影

記念式典の最後に登壇した関係者。MARSの発案者である穂坂氏の家族も登壇した。記念式典会場にて筆者撮影

【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術解説者。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務を経て独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。「川辺謙一ウェブサイト」も随時更新。

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