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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「若い人も多いけど、お金大丈夫?」サッカーW杯を現地観戦する日本人サポーター お金持ちばかりじゃない、渡航費用を捻出するための“4年越しの努力”

「息子と2人で、毎月1万~2万円を積み立てていく」

 Aさんの場合、ある程度の収入があり、かつ自由な働き方ができるので、現地観戦するのも納得の部分もありますが、必ずしもお金持ちばかりではありません。私の知人の飲食店経営者・Bさん(70代女性)は、1990年代から息子と2人で現地観戦を続けてきました。今回は高齢のために諦めたそうですが、彼女曰く「2018年までは2人で100万円を用意すればなんとかなった。2022年も少しそれよりは多かったけど、なんとかなった」とのこと。

 その金額をどうやって用意するのかと言うと、「息子と2人で4年間かけて100万~150万円を貯める」というシンプルなもの。幸いなことにワールドカップは次の開催年が決まっています。だから、その日を目指して、毎月1人あたり1万~2万円を積み立てていくのです。それくらいであれば、日々の節約でなんとか貯めることは可能。お店に気前の良い客が来た時などは「これでワールドカップに近づいた……」といった感慨をもって、お礼を言っていたとか。「いま頑張ることが、4年後のワールドカップにつながる!」という思いが、日々の仕事を頑張るモチベーションになっていたそうです。

 もちろん、円安や物価高が続く昨今、かつてより現地観戦のハードルが上がっていることは間違いないでしょうが、サッカーにかける情熱がある人は、4年かけて綿密に準備をしているわけです。

 今回のワールドカップで、テレビやDAZNを見ていて「なんでこんな若者が今、アメリカに行けるんだ……。それに引き換え、自分はそんな贅沢はできない」なんて思ってしまう人もいるかもしれませんが、次の2030年大会を本気で現地観戦したいのであれば、今から準備をはじめてみてはいかがでしょう。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『それってホントに「勝ち組」ですか? 現代格差の読み解き方』(鹿砦社)。

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