時価総額の「親子逆転」はなぜ起きたのか(時事通信フォト)
昨年後半から、東芝から分社化された半導体メモリー大手・キオクシアホールディングスの株価が急騰。今年6月にはトヨタ自動車を抜いて国内企業の時価総額トップに躍り出た。東芝は経営危機で2023年に上場廃止となったのに対し、キオクシアはAI需要の追い風に乗って2024年の新規上場から一時は株価70倍超となった。まさに「親子逆転」だ。AI関連企業で似たような構図にも見えるのがAIエージェント開発などを手がける「富士通」とロボットが自律動作するフィジカルAIで覇権を目指す「ファナック」である。
1972年、富士通のNC(数値制御)部門が分離独立してから半世紀余り。売上高では今も富士通がファナックの4倍を誇るが、時価総額ではすでに立場が逆転している。「分家」が「本家」を超える──そんな逆転劇はどのようにして起きたのか。そして今後はどうなるのか。
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逆転しているのは売上ではない
2026年3月期の売上規模では、富士通が圧倒的に大きい。富士通の売上収益は3兆5029億円、ファナックの売上高は8578億円。富士通はファナックの約4.1倍の売上規模を持つ。
一方、株式市場での評価と言える、時価総額では関係が逆になる。2026年7月1日時点で、富士通の時価総額は5兆6317億円、ファナックは7兆2836億円。ファナックは売上は小さくとも、時価総額では富士通の約1.29倍となる。
このねじれは、時価総額を売上で割るとさらに見えやすい。富士通は約1.61倍、ファナックは約8.49倍で、ファナックは富士通の約5.28倍の水準だ。つまり「親子逆転」の中身は、時価総額、さらに言えば売上をどれだけ市場評価に変換できているか、その効率で大きな差がついている構図といえるだろう。
売上4倍でも、利益率の差は残る
なぜ売上で勝る富士通が、時価総額ではファナックを下回るのか。手がかりは利益率にある。
2026年3月期の営業利益は、富士通が3483億円、ファナックが1838億円だった。実額では富士通が約1.9倍多いが、営業利益率は富士通9.9%に対し、ファナックは21.4%。差は11.5ポイントある。売上4倍でも利益率で大きく差がつくなら、株式市場の評価も変わってくる。時価総額の逆転は単なる人気の差ではなく、収益構造の差として読むことができるだろう。
では、両社の収益構造をもう少し詳しく見ていくとどうなるか。
※本記事作成には一部に生成AIの技術を活用しています。
