「物の損壊」とはどういうことかというと、刑法の器物損壊罪の解釈では、物を変形させたり壊したりするだけでなく、本来の目的に従って使用することができない状態にすることとされています。
こすったような傷が少しついた程度であればガードレール本来の用途の上ではまったく支障がありませんが、こすった箇所が傷になって耐用年数の維持のために塗装が必要な場合は物理的変形があるとして、損壊と評価されることになると思います。変形がなく再塗装の必要もない場合だと損壊にはならないでしょう。
私自身、こんな体験をしました。自宅に警察官が来て、車が私の家のブロック塀をこすったという事故の届け出があったと言い、現場の確認を求められました。よく見ても痕跡はわかりませんでしたが、運転者は「当て逃げと言われたくないから報告した」と言うのです。私は運転者に賠償請求しないことを約束し引き取ってもらいましたが、気にする人はそこまでするということです。
あなたの場合は近所での出来事で、息子さんを特定できる人が見ている可能性があり、後で変な噂が立つのも心配です。「こすったような傷」の程度が不安であれば、警察に報告しておいた方がよいと思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2026年7月23日号