1000円でべろべろになるのは難しい時代?(イメージ)
呑兵衛にはおなじみの「せんべろ」という言葉は、いつしか消えていくのだろうか──。せんべろとは「1000円でべろべろに酔える」を略した言葉で、作家の故・中島らも氏の著書で知られるようになった。しかし近年の物価高騰により、特に東京近郊の多くの居酒屋では「本当にせんべろは成立するのか」という問いが現実味を帯びてきた。
居酒屋経営者の本音「今はもう無理」
東京・池袋で居酒屋を経営するFさん(50代・男性)はこう語る。
「ウチは客単価2000~3000円の店ですが、15年前なら1000円でも一応は飲めました。でも今はもう無理です。ウチの店は賃貸ですが、この10年で家賃は3割近く上がりました。アルバイトの人件費も、10年前は時給1000~1100円程度でしたが、今は最低でも1300円は出さないと人が集まりません。
食材も大幅に値上がりしました。鶏肉、鮮魚、卵、キャベツ、マヨネーズ、揚げ油、オリーブオイル……もう全部ですね。さらに電気代やガス代も上がっており、それらは当然、料理の価格に反映せざるを得ません。
ウチの生ビールの仕入れ値は1リットル430~440円。中ジョッキ1杯の原価は170~180円ほどなので、販売価格は550円は欲しいところです。お通しが400円なので、最初の1杯とお通しだけで1000円近くになってしまいます」
