ボートレースの応援文化として親しまれてきた横断幕が終了する
ボートレース公式サイトは6月25日、レース場における選手応援のための「横断幕」の設置を10月1日以降を初日とする競走から終了することを発表した。ファンによる応援の定番となっていた「横断幕」の終了の背景に、何かあったのか──。
安全と信頼を確保するために掲出終了
全国のレース場で掲出されている、選手の名前やメッセージなどが大きくデザインされた横断幕は、選手を応援するためにファンが作っているものだ。ファンは、“縦メートル以内×横10メートル以内”という統一規格内で横断幕を製作し、掲出したいレースと応援する選手の名前を添え、返送用に必要事項を記入した着払伝票を同封し、期日までにレース場に送付。それをレース場側が、希望するレースに合わせて掲出している。掲出する細かい場所などをファン側が指定することはできず、掲出依頼の数が多かった場合は、掲出できないケースなどもある。
そんなボートレースの横断幕は、ここ数年かなり増加していたという。ボートレースに詳しいスポーツライターはこう話す。
「コロナ禍での外出制限がある中、ネット投票で楽しめるボートレースは、大きくファンを増やしました。同時にいわゆる“推し活”というものが一般的になり、レースを楽しむだけでなく、特定の選手を熱心に応援することに重きを置くファンも増えたんです。そういった背景もあり、ここ数年レース場での横断幕の掲出が急増していました」(以下、「」内同)
掲出依頼の数が、掲出可能なスペースを超えることも増えていた状況を受け、ボートレースの公式サイトでは6月18日に《横断幕の掲示については均一なファンサービスの実施が困難なこと、安全な競技運営環境の保持、多くのお客様にお愉しみいただけるエリア作り等の理由により、令和8年10月1日以降を初日とする競走から掲示を取りやめることを検討しております》と発表した。
さらに、6月25日には《令和8年10月1日以降を初日とする競走から》横断幕の掲出を終了すると正式に発表。その理由については、《近年の異常気象や予測が極めて困難な突風(ゲリラ突風等)などにより、万が一、レース中に横断幕が水面に落下した場合、レースの中断やレース中における事故など選手の命に関わる重大な事故に繋がりかねません。すべてのレースにおいて絶対的な安全と信頼を確保するため》と説明した。
「最終的な終了発表の声明では、《すべてのレースにおいて絶対的な安全と信頼を確保するため》という理由になっていますが、先立って発表された“終了検討”の声明で《均一なファンサービスの実施が困難なこと》を理由に挙げているように、掲出依頼数の増加が大きな要因となっているのは間違いない。横断幕を掲出したり、返送したりするレース場のスタッフの作業量も増えるばかりで、対応しきれなくなっている現状もあるのでしょう」
