海外で人気となった中原めいこのレコード
中国系・アジア系の人が買い漁る商品
古典落語に『火焔太鼓』という噺がある。呑気で正直過ぎる古道具屋の店主は、とにかく商売下手で儲からなかったのだが、ある時、古びた太鼓を入手する。これを叩いていたところ殿様の使いがやってきて、この太鼓を売って欲しいという。屋敷に持っていくと、なんとその金額300両! 国宝級の火焔太鼓なる代物だったというのだ……。もちろん、そんなうまい話がどこにでも転がっているわけではないが、古道具屋でうまく利益を出すにはどうすればよいのか。黒川さんが続ける。
「火焔太鼓の店主は、昔の道具屋だから無茶苦茶なんですよ(笑)。とはいえ、仕入れ品の今の価値を、きちんと見極められる人は強いでよね。
古物市場に行くと、中国系、アジア系の人が多いです。この辺(佐賀県唐津市)でいえば、有田焼を一山500円とかで買い、向こうで何十倍もの価格を付けて売ったりもしています。最近はレコードが人気で、高いものだと1枚数万円で取引されることもある。たとえば1980年代のポップシーンで活躍した中原めいこのレコードは、昨今のシティポップ人気もあってアジアでもかなり値段が上がっているようです」
日本の中古レコードは、アジア圏でも人気だという
ビンテージ化されたものを扱うニューウェーブ古道具屋も
高齢化社会が進むと、終活としても古物商のニーズはさらに高まってくるだろう。最近はジャンルに絞ってコレクションをする人が増えていることから、「そうしたジャンルに特化して商品を仕入れるのもいい」と黒川さんは語る。
「昔のユニクロ商品が今では『ビンテージユニクロ』として扱われており、若者の間で高値で売れていたりします。あらゆるモノがビンテージ化されており、それらを扱うニューウェーブ古道具屋も存在します。こうした形でターゲットを決める古道具屋がいて、それに共鳴する消費者もいる。
目利きの話ですが、店の品揃えを見ると『この人そこに目をつけたか!』というのは分かるものです。たとえば、ある特定の時代だけのコレ、とかですね。僕が実際に見たのは、日本がボイコットした1980年のモスクワ五輪関連グッズのコーナー。共産主義が色濃く残るソ連(現ロシア)のデザインが好まれたり、熊のキャラクター・ミーシャがかわいいと評判で一部の人からは絶大なる人気を誇っているようです」

