AIデータセンター向けの半導体基板を手掛けるイビデンの今後は(写真・Getty Images)
今年前半はキオクシア・ホールディングスをはじめとするAI・半導体関連株の急騰が目立ったが、7月に入って下落が目立つ。7月17日にはキオクシアHDがストップ安となり、6月の上場来高値から半値以下となった。AIデータセンター向けの半導体基板を手掛けるイビデン(東証プライム・4062)の株価推移も同様の流れのなかにあるように見える。年初から6月末までに株価は3倍超の上昇を見せたが、7月1日に年初来高値をつけてからは60%近い下落となっている。一方、同社の決算に目を向けると、2026年3月期は純利益637億円で前期比89%増、過去最高益となったが、今期(2027年3月期)は減益を見込む。同社の現在地と今後の株価を読み解くポイントとは。
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純利益9%減でも、本業は減速していない
イビデンの2027年3月期業績予想は、売上高5000億円で前期比20.1%増、営業利益900億円で45.1%増。一方、純利益は580億円で9.0%減を見込む。最終的に残る利益だけを見ると減益だが、事業から稼ぐ営業利益は大幅な増益予想である。
営業利益率も上向く見通し。2026年3月期の14.9%に対し、2027年3月期予想は18.0%。売上高が増えるだけでなく、採算も改善する前提となっている。少なくとも会社予想の数字からは、本業が縮小する姿は見えない。
では、純利益の減益をどう評価すべきか。それを読み解くうえで、前期に“一過性の押し上げ”が含まれていた点は見逃せないだろう。2026年3月期には、保有株式などの売却で生じる投資有価証券売却益を494億4800万円計上した。このため税金等調整前当期純利益は910億9200万円と、経常利益608億2200万円を大きく上回っている。2027年3月期見通しの純利益の減少は、この反動を含む比較として捉える必要がある。
AI需要は、イビデンの利益構造をどう変えたのか
本業の伸びを支えているのは、主に半導体向けパッケージ基板を製造・販売する電子事業である。半導体チップとサーバーなどの基板を電気的につなぎ、チップの性能を引き出す高機能基板が同事業の中心だ。
2026年3月期の電子事業は、売上高2433億1600万円で前期比23.4%増、営業利益452億4800万円で68.5%増だった。営業利益率も前期の約13.6%から約18.6%へ上昇した。
電子事業の営業利益増加額は184億100万円で、全社営業利益の増加額144億600万円を上回った。自動車排気系部品などを扱うセラミック事業では営業利益が45億7200万円減っており、電子事業の増益が他事業の減益を吸収した構図が読み取れる。
また、利益率の上昇について同社は、生成AI用サーバー向け受注が堅調だったことに加え、高性能・高機能で販売価格が相対的に高い製品の出荷比率上昇、販売価格の維持、材料費上昇分の価格転嫁、フィリピン工場での原価低減が収益性を支えたと説明している。
つまり、AI需要の恩恵は売上の拡大だけでなく、売上に占める高採算製品の比率上昇として利益率にも表れていると言えそうだ。では、生産能力に上限があるなかで、この需要をどこまで売上と利益に変えられるのか。
※本記事作成には、一部に生成AIの技術を活用しています。
