変更の可能性はあるか
現時点では、実現へのハードルは高いと見られています。配分の見直しは5年に1度で、GPIFは今年3月に見直しの必要はないと判断したばかり。所管する上野賢一郎・厚労相も、早期の見直しには慎重な姿勢を示しています。運用はもっぱら加入者の利益のために行うという原則もあり、市場では実現に懐疑的な見方が多数です。
過去にもあった2つの前例
思い出されるのが2014年です。当時の安倍晋三・首相の指示で運用方針の見直しが前倒しされ、国内株の比率が12%から25%へ倍増。日本株の大幅上昇につながりました。
もう一つは1990年代。バブル崩壊後の株価を支えるため、GPIFの前身の年金福祉事業団時代には公的資金で買い支えるPKO(価格維持政策)を展開しましたが、相場の需給バランスを通じた価格発見機能を弱めたうえ損失も出し、批判を浴びました。今回の動きを「令和のPKO」と呼ぶ市場関係者もいます。
年金は長い目で増やすためのお金。目先の相場対策に使われないか、わたしたちも関心を持って見ておきたいところです。
今回のまとめ
・300兆円の運用規模を持つGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、その動向を世界中の投資家が注目している
・運用方針の変更は、わたしたちの将来年金にも影響しうる
・見直しは5年に1度。現時点ですぐに変更される可能性は低い
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。