三菱重工がAIインフラの新たな主役として踊り出るのか(写真:時事通信フォト)
今年の株式市場を牽引してきたAI・半導体関連株に、調整の動きが広がっている。そうしたなか、再び注目を集めそうな銘柄のひとつが三菱重工業(東証プライム・7011)だ。防衛やガスタービンという従来の成長軸に加え、米エヌビディアとの提携を通じて、AIデータセンターの課題である「冷却」分野への本格参入も浮上するなど、株価を動かす材料は多い。株価調整を経た同社は、AIインフラの新たな主役となり得るのか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
エヌビディアとの提携で浮上した「AI冷却」という新材料
今年に入ってから株式市場を牽引し続けてきたAI・半導体関連銘柄が、ここにきて明確な踊り場を迎えている。これまで圧倒的なパフォーマンスを見せてきたエヌビディアをはじめとする米国の巨大テック企業や、それに連れ高してきた日本の半導体製造装置メーカーなどの株価推移を見れば、市場の資金が一度利益確定のフェーズに入っていることは疑いようのない事実だろう。AI革命という長期的なテーマ自体が崩れたわけではないが、バリュエーションの面で過熱感が意識され、次の展開、あるいは次の資金の循環先が探されている状況といえる。
そうした資金循環の中で、数カ月にわたって株価調整を余儀なくされていた重厚長大産業の雄、三菱重工業が再びマーケットの主役に躍り出る可能性がある。これまでは「防衛関連」や「電力不足を補うガスタービン」という側面で買われてきた同社だが、ここに来て全く新しい、そして極めて強力な材料が飛び込んできた。AIや半導体の熱狂が一服した今こそ、ファンダメンタルズと新たなカタリストを兼ね備えた三菱重工の真価が問われるターンが到来したのか、新出のエヌビディアとの提携材料を中心に検証していきたい。
