「骨太の方針」文書はどのように出来上がったのか(高市早苗・首相/時事通信フォト)
支持率急落の最中にある高市政権の綻びが少しずつ明るみに出てきた。政府が今後の重要政策の方針を示す「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」が同政権発足後初めて発表されたが、それを受けて円売りが進む“骨太ショック”に見舞われた。実はその「骨太の方針」をめぐって、財務省・日銀が「サナエノミクス潰し」とも言える反乱を仕掛けていた――その経過が、本誌・週刊ポストが独自入手した内部資料から浮かび上がってきた。【前後編の前編】
「取扱厳重注意」の文字が印字された〈ネガチェック版〉
高市早苗・首相は来年4月から2年間限定で食料品の消費税率を1%に引き下げるように指示した。だが、これで消費税減税をめぐって繰り広げられてきた首相と財務省との暗闘に決着がついたわけではない。財務省は積極財政と減税を柱とする「サナエノミクス」を潰そうと二段三段構えで待ち受けているからだ。
財務省と官邸の“攻防”を物語る1つの文書を入手した。
表紙に赤文字で〈ネガチェック版〉〈2026/7/14 10:00 時点版〉〈取扱厳重注意〉と印字された「骨太の方針」だ。
「骨太の方針」は時の政権が進めようとする政策の実施計画の性格を持ち、従来は財務省が中心になって各省の政策をとりまとめてきた。だが、高市首相は城内実・成長戦略担当相を中心に経済ブレーンの検討チームで議論させ官邸主導で策定した。
そのことが市場の混乱を招く。
6月30日にまず骨太の原案が公表されると、国債が売られて7月9日には長期金利が2. 9%と30年ぶりの高水準までに上昇し、円売りで円安が進んで「骨太ショック」と報じられた。
骨太の原案の第1章〈「強い経済」の実現に向けて〉の項目に〈適切な金融政策運営が行われることも非常に重要〉と盛り込まれたことが、利上げを嫌う高市政権が日銀の金融政策に介入する姿勢と受け止められ、市場で国債売りや円売りが加速したためとされる。
これを見て動いたのが片山さつき・財務相だ。
