中国経済の課題とは(習近平・国家主席/Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。中国の下半期の経済運営方針を読み解いたうえで、株式市場の反応などについてレポートする。
喫緊の課題は需要不足の解決
中国共産党中央政治局会議が7月30日、開催された。足元の経済情勢分析を踏まえ、下半期に重点的に取り組む経済運営方針が示された。第2四半期の成長率は第1四半期の5.0%から0.7ポイント低下し、4.3%に落ち込んでいる。足元では全人代で定めた今年の成長率目標(4.5%~5%)の下限を下回るといった厳しい経済情勢だ。
喫緊の課題は需要不足の解決である。そうした観点から今回の会議の内容をまとめると以下の通りである。
マクロ政策では、その基調について4月の中央政治局会議では“用好用足(うまく用い余すことなく利用する)”としていたが、今回は“発力提効(投入の強度を高めて効果を引き上げる)”とギアを一段上げている。財政支出、国債発行などでの資金調達額を増やして積極財政政策の強度を高めるとともに、金融政策ツールを総動員して、タイムリーに金融緩和政策を実施するなどとしている。
消費拡大政策では、文化娯楽、旅行、健康管理など、重点分野で潜在的なサービス消費を掘り起こし、地域や収入、年齢といったより細かいカテゴリーに絞って良質な供給を拡大させる。合わせて、大規模設備の更新、消費財の以旧換新(買い替え)政策を継続するなどとしている。
投資拡大政策では、水利、電力、コンピューティング、次世代通信、都市部地下管、物流といった6つのネットワーク建設を着実に推し進める。通年の投資規模については7兆元(161兆円、1元23円)以上とする。景気サイクルの波を調整するための現実的な需要拡大政策であるが、同時に長期的な戦略に適うなどとその戦略的意義を説明している。
そのほか、不動産市場の安定を図り、資本市場の靭性、信頼性を高め、雇用の創出、将来の収入の安定を図るなどといった点にも言及している。
