かんちさんはAI・半導体関連銘柄を全くと言っていいほど持っていないという(写真:イメージマート)
半導体メモリ大手のキオクシアホールディングスは、上場からおよそ1年半で株価が70倍に急騰し話題を集めた。その後は急落し、高値の2分の1程度の水準にとどまっている。こうしたAI・半導体関連銘柄の激しい値動きを見て、投資家はどのような視点で銘柄と向き合うべきか。株式投資で10億円超の資産を築いた達人に話を聞いた。
元消防士で投資歴40年以上、長期分散投資によって保有銘柄は600を超え、資産10億円超の個人投資家・かんちさん。配当株投資の達人として知られ、ポートフォリオは「高配当株5、優待株3、成長株2」の割合で構成される。年約3000万円の配当金収入に加え、優待株でも金額換算で年約120万円分の優待品を得ているという。
かんちさんは「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資”を実践している。その運用を支えているのが、独自の資金管理ルールだ。
AI・半導体に一切乗らない理由
「基本的に私は現金買付余力をほとんど持たず、証券口座内の95%以上はつねに株式(現物株)で占められている。現金のままではお金が増えない。そのため可能な限り資金を遊ばせない“フルポジション”なんです。だから銘柄を買おうと思えば何かを売らないといけない。そのため保有銘柄が上がっても焦って利益確定することはないし、下がれば信用を使って買うというマイルールに従うかたちです」(以下、「」内のコメントはかんちさん)
こうした姿勢は、値動きの激しいキオクシアのような銘柄との距離の取り方にも表われている。
「日経平均は7万2000円まで上がった後に下落しました。ただ、私のPF(プロフィットファクター=総損失/総利益)は日経平均5万円の頃からあまり変化がありません。5万から7万円までの2万円分位はAI・半導体のために上がった数字というのが、私の実感ですね。
私はAI・半導体関連銘柄を全くと言っていいほど持っていません。造船が上がった時も手を出さなかったし、AIバブルでも買わなかった。企業が生み出す利益や保有資産などから算出される企業価値と比較して、株価が低い状態(割安)にあるバリュー株ばかり持っていますね」
