「今は2階に住んでいて快適です」
夫はそのままタワマンに住み続けることになりましが、問題はローンです。それまで彼女が支払ってきた分があるため、財産価値の一部を受け取る権利があると彼女は弁護士を通じて主張するも、夫側の弁護士はあくまでも家賃としての位置付けだと主張して平行線。さらには不倫があったわけでもなく、離婚したがったのは彼女の方からだということで、残ったローンを支払わないで良い条件とし、それで十分だとも言ってきます。
彼女はこう語ります。
「そもそも私のような平屋で生まれ育った人間にとっては、地上100メートル以上なんて住むような場所ではなかったのかな、とも思います。今は2階に住んでいて快適です。何しろ歩いて外に出られるし、駅までの時間も読めるのがいいです。ローンの件はまだケリはついていません。私だって10年以上はローンを支払っているので、権利はしっかり主張したい。まぁ、互いの弁護士次第ではありますが」
“憧れのタワマン”という文脈で語られることも多いですが、実際に住んでみて、タワマンならではのデメリットを感じる人もいる、ということです。今、彼女はストレスの少ない、通勤時間の短い生活を謳歌しています。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)/1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『それってホントに「勝ち組」ですか? 現代格差の読み解き方』(鹿砦社)。