マンション購入では資産価値を見極める視点が重要になっている(写真/イメージマート)
「いま買うべきか、それとも待つべきか」──マンション価格の高騰が続くなか、市場にはこれまでとは少し異なる動きも見え始めている。不動産調査会社・東京カンテイによると、都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の中古マンション価格は依然として高水準を維持しているものの、この半年ほどは上昇ペースが鈍化しているという。売り出し価格を見直す物件も増え、これまで市場を押し上げてきた投資目的の買いにもやや落ち着きが見られるようになった。
一方で、住宅購入への意欲がしぼんでいるわけではない。リクルートが発表した「住宅購入・建築検討者調査」の2025年版によると、新築住宅を希望する人の割合は63%と過去7年間で最低となった一方、「中古マンション」や「中古一戸建て」の検討率は上昇傾向にあるという。住宅価格の高騰を受け、新築から中古へと目を向ける人が増えているようだ。
さらに、日銀の利上げを背景に住宅ローン金利は上昇基調にあり、購入を検討する人にとっては悩ましい局面を迎えている。それでも「今後も住宅価格は上がる」と考え、購入を急ぐ動きは根強い。生活者の目線からXで情報を発信して支持を集める40代の会社員・ブリリアント氏が、マンション購入の判断基準について語ってくれた。
「将来誰が欲しがるか」を考えて選ぶ
「過去10年間を振り返ると、結果として強かったのは、『大規模』『都心に近い』『駅に近い』『再開発エリアに近い』という条件を備えたマンションでした。さらに『メジャーセブン』が供給するブランドマンションも資産価値を維持しやすかったと思います。ただ、今後はこれまで以上に選別が必要になります。大規模なマンションなら何でもいいというわけではありません。
重要なのは『自分が住みたい』物件だけを探すのではなく、『将来誰が欲しがるのか』と購入後の売却まで考えることです。売却を意識するなら、眺望の良さや共用施設の充実、生活利便性など、次に買う人が魅力を感じる条件が必要になります。スーパー、公園、病院が近いことも重要ですし、子育て世帯なら保育園や学校も大切になります。自分だけでなく、他人も住みたいと思える物件かどうかが資産価値を左右するのだと思います」(以下、「」内はブリリアント氏のコメント)
近年は「学区」も重要な判断材料になりつつあるという。
「以前、元フジテレビアナウンサーでマンション愛好家でもある西岡孝洋さんが『湾岸エリアは今後、学区としても人気が高まるのではないか』と話されていたのですが、たしかにその通りだと思います。湾岸には高所得層が多く住み、教育熱心な家庭も多い。その結果、公立小学校から難関中学への進学実績が積み上がれば、『あの学区に住みたい』という需要がさらに高まり、資産価値にもプラスに働く可能性があります」
こうした条件を重視して、ブリリアント氏が2022年頃に購入した現在のタワマンは、購入時から約1.7倍まで価格が上昇しているという。もっとも、ブリリアント氏は「自分が買った頃と今では、市場環境が違う」という。
「この3年ほどでマンション価格は大きく上がりました。以前は新築マンションに当選すればその瞬間から数千万円もの含み益が出る『含み益ドーン』の時代でしたが、もうそういう時代は終わったのかもしれません。これからは『買えば値上がりする』という発想で購入すると失敗する危険性があります。含み益を期待してマンションを買うと、むしろ失敗しかねません」
