渋谷・道玄坂の麻辣湯店に並ぶ女性たち
「一過性のブームでは終わらない」との見方も
前出のフードライターは、こう話す。
「食べ物のブームには共通点があります。まず、SNSで話題となる、短期間で認知度が高まる、模倣店が急増する、供給が需要を上回る、価格競争が始まる、緩やかにブームが終わっていく……という流れをたどります。飲食業界では『ブームの寿命は3~5年程度』と言われており、あまり例外はありません。
その一方で、麻辣湯は一過性のブームではなく、定着していくという見方も少なくありません。ここ10年でブームになった食べ物には、タピオカ、チーズハットグ、生ドーナツ、高級食パン、フルーツサンド、アサイーボウル、マリトッツォなどがありますが、多くは間食か嗜好品でした。しかし麻辣湯は主食となる“料理”です。昼食や夕食としての需要がありますし、ヘルシーなイメージも強い。食材や辛さを選べるので、リピート需要も見込めます。
ただ持続させていくには臭気対策に万全の備えが必要でしょう。麻辣湯は八角や花椒(ホアジャオ)を使用するため、どうしても独特の香りが発生することは避けられない。嗅いだことのない香りを嗅げば、違和感を覚える人が一定数現れるのは当然です。
飲食業界では、ブームの後には必ず選別が起きます。首都圏ではすでに“麻辣湯店がある風景”が当たり前になり、出店フェーズから淘汰フェーズへの転換点が近づいているのは間違いなさそうです。今後は麻辣湯という文化が定着するなかで市場規模が見極められ、適正な店舗数へと収斂していくことになるでしょう」
中国発祥の料理は日本の定番メニューになっていくのか──。
