「平均費用」に意味はない?(イメージ)
日本の葬儀代は高すぎるという指摘がある。「葬儀の平均費用は231万円」という統計数字も広まったが、前編記事ではそれが実態を正確に反映していないと思われる理由を解説した。では、実際の葬儀費用はいくらくらいなのか。後編では、葬儀社側から見て実態に近い葬儀費用の推移を見ていくとともに、統計値に振り回されず、自分にとって適正な葬儀費用を判断する方法について、葬儀業界歴約30年、1級葬祭ディレクターの赤城啓昭氏が解説する。【前後編の後編】
最新調査で見る実際の葬儀費用
前編では、日本消費者協会による葬儀費用の全国平均金額を取り上げました。
ところが最近、この日本消費者協会の数値を目にする機会が減ってきています。なぜなら2022年以降、「葬儀についてのアンケート調査報告書」の数値を商用媒体に引用・転載する場合は有料にすると、日本消費者協会が決めたからです。
代わりによく取り上げられるようになったのが、鎌倉新書が発表する「お葬式に関する全国調査」です。
鎌倉新書は、終活関連サービスを運営する東証プライム上場企業です。葬儀社側から見て、鎌倉新書の数値が最も実態に近いと思います。2026年5月に発表した「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」によると、葬儀費用の総額は96.73万円でした。
ただしこの数値を見て「そうなんだ」と鵜呑みにするのも注意が必要です。
同調査ではさらに葬儀の形態別に数値を出しており、一般葬122.01万円、家族葬96.39万円、一日葬74.43万円、直葬・火葬式49.56万円というように、形態によってかなり幅があります。またこの数値には、宗教者に支払うお布施の額は含まれていません。一方、日本消費者協会の数値には、お布施が含まれています。
そして第7回の調査からは、平均値ではなく中央値が採用されています。このように条件によって数値が大きく変わるのに、数字だけが一人歩きしてしまうのが「葬儀費用の全国平均」の危険なところです。
