葬儀費用の「平均価格」にはなぜ意味がないのか
これまで葬儀費用の全国平均について述べてきましたが、実際のところ、本当に正確な数値が算出されたとしてもあまり役には立たないのです。
例えば総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本全国の平均家賃は5万9656円です。しかし賃貸物件を探している人にとって、この数値は役に立ちません。実際は、立地、間取り、築年数などの希望条件を決定し、地元の不動産屋の物件価格を比較して、割安か割高かを判断してから契約という流れになるはずです。条件は人によってかなり幅があるので、「平均家賃5万9656円」を意識する人はいないでしょう。
葬儀も同じで、宗教儀式の有無、どこで行うのか、どこまで人を呼ぶのかという条件を決めてから、地元の葬儀社複数社から見積りを取って、比較検討して割安だと思った葬儀社に依頼するのが正しい流れです。条件を固定して比較検討することで、どの葬儀社が割安かを判断します。
仮に精度の高い「平均価格」が存在したとしても、実際はこのように近所の数社の見積りの中で割安と思える金額を選択するしかないわけです。そうであれば報道された平均価格にとらわれるのではなく、「条件を揃えて」「複数社から見積りを取って比較する」方法を実行する方が、はるかに役に立つはずです。
▼▼▼前編記事▼▼▼
【はじめから読む→】巷に流布した“葬儀の平均費用231万円”を信じてよいのか? 「実はもっと安いですよ」葬儀のプロが解き明かす統計数字のカラクリ
【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
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