レポートの執筆ルールを守れない学生も少なくないという(イメージ)
「大学生のレポートの質が、年々低下している」──そんな実感を抱く大学教員は少なくないようだ。もちろん、すべての学生に当てはまる話ではないが、中堅私立大学の現場では、「文頭の一字下げをしない」「話し言葉のまま書く」「文体が混在する」といった、レポートの内容以前の問題も散見されるという。AI時代のZ世代学生たちのレポートから読み取れる、大きな変化とは──。【前後編の前編】
「文頭の字下げをしない」「改行しない」
都内の私立大学で人文系科目を担当する女性教員・Aさん(40代)は、ここ数年、「指導をしているにもかかわらず、執筆ルールを守れない学生が激増している」と語る。
「学期末レポートを提出させる際には、こちらも丁寧に執筆要綱や注意点、ようするに形式面でのルールを説明しています。しかし、実際に提出されるものは、“文頭を字下げしない” “段落が存在しない”“一切改行しない”“空白の行をつくるブログ文体”のようなものが、年々増加しているんです。
たとえば、2000字くらいの文章が、最初から最後までほぼ一つのかたまりになっている。読んでいるこちらが息切れしてしまいます……。逆に、2~3行ごとに改行したり、空白の行を作る学生もいます。ブログやSNSの投稿みたいな見た目なんですよね。また原稿用紙で文章を書く経験がなくなっているせいなのか、『パラグラフの文頭は1文字下げるように』と説明しても、意味がわからないようで伝わっていないんですよ」(Aさん)
Aさんによれば、最近ではレポートをスマホ一つで完結させる学生も増えているという。
「コロナ禍以降でしょうか、スマホのメモ帳に書いた文章を、そのまま貼り付けたようなレポートも増えましたね。全部をスマホで済ませているからか、Wordファイルのフォーマットが崩れていることも……。正直、うちの大学はいわゆる“Fラン大学”ではありませんが、こんな初歩的なところから教えないといけないのか、と頭を抱えてしまいます」(同前)
