「結婚したい」の思いがバンド継続の判断に影響
関東在住の会社員男性・Cさん(31歳)は、28歳でバンドを脱退した。きっかけの一つは、交際していた女性との将来を考え始めたことだった。
「20代前半は、結婚なんて全然考えていませんでした。でも、次第に大学時代の友人が結婚し始め、子どもができたという報告を聞くなかで、『俺ってバンドを続けてたら、一生独身かも』と不安になってきたんです。
彼女からも、『毎月赤字なのに、いつまでバンド続けるの?』『なんでレコーディング代を親に借金しているの?』と叱責され、現実を直視せざるを得ませんでした。バイト代を機材につぎ込んで、ローンで買った楽器の請求が毎月届いて、当然、延滞しますよね。もちろん貯金はゼロ。それで『いつか成功したら結婚しよう』と彼女に言い続けるのも、違うと思ったんです」(Cさん)
ある時、Cさんはバンドのメンバーから唐突に解散を切り出された。当初は受け入れがたかったというが、「今になればバンドをやめる選択を“他責”にできてホッとしたところもある」と振り返る。
「音楽を諦めたというより、人生のなかで音楽の位置を変えた感覚です。今でもライブには行くし、友達のバンドも応援しています。でも、『音楽で食べていかなきゃ意味がない』と思わなくなったら、楽になりました」(同前)
夢を追う期限に明確な正解はない。30代以降に評価されるミュージシャンもいれば、会社員として働きながら音楽活動を続ける人もいる。ただ、仕事や結婚、将来設計といった現実的な問題が一気に押し寄せる20代後半は、バンドマンたちにとっても人生の大きな分岐点となっているのは間違いないるようだ。
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