老後に過去の人間関係を引きずる必要はない(写真:イメージマート)
どんな仲睦まじい夫婦でも、いつか死別する時がくる。老後のひとりは寂しくて辛い……そう思い込みがちだが、実は正しい備えがあれば、孤独の生活は極上の喜びや楽しみを与えてくれるという。至福のひとり暮らしを実現するための人間関係の見直し術を専門家に教えてもらった。【全3回の第2回】
人間関係の整理はモノの整理と似ている
老後をひとりで暮らすには、まずは健康面や死後の手続きなど、さまざまな心配事についてあらかじめ準備しておくことが重要。そうして守りを固めたら、「攻めの孤独」に転じるタイミングである。最初に見直すのはストレスの大元となる人間関係だ。終活アドバイザーで行政書士の松尾拓也氏が言う。
「現役時代は上司や組織、取引先などとの関係を保つために、嫌なことがあっても我慢して付き合うことを求められがちです。しかし老後にサラリーマン的な人間関係を引きずる必要はありません。好きか嫌いか、一緒にいて心地よいか疲れるかという自分にとっての基準で相手を選んでいい」
退職後は会社も人事査定もなく、肩書きや利害関係に縛られる必要はない。噂話ばかりの集まり、出かけるたびにお茶に付き合う慣例、おせっかいで自分のペースを乱す人、嫌われないために自分に課した無理──そうした一切の煩わしさから解放されて、やりたいように生きればいいのだ。人間関係の整理はモノの整理と似ている、と松尾氏は言う。
「例えば写真の場合、一挙にすべてを捨てるのではなく“これは思い入れがあるから残したい”という写真をセレクトしますよね。人間関係も同じで、自分にとって必要な人だけを取捨選択して残せばいい。友達が減ることを人生の失敗とはとらえず、友達の数を維持するため自分をすり減らすことは避けるべきです」
