楽しいビールライフがやって来る!
10月1日、酒税法の改正によって、“ビール系飲料”の税率が一本化される。これまで350mlあたりの税率はビールが63.35円、発泡酒・新ジャンルは46.99円だったが、それが一律で54.25円となる。ビール大好きネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「発泡酒と新ジャンルを飲んできた人も、これを機に、ビールを飲もう」と提言する。
酒税法の穴を突くビールメーカーと財務省の攻防
税収のドル箱でもあるビールの税金をめぐっては、財務省(旧・大蔵省)とビールメーカーの攻防が続いてきた歴史があります。
かつて、麦芽比率が67%以上のものが「ビール」と分類されていたのですが(※2018年の酒税改正で「50%以上」に変更)、1994年にサントリーが麦芽比率が65%の「ホップス」を発売。これが「発泡酒」と呼ばれるジャンルの先駆けで、当時ビールが210~220円ほどだったのに対し、それより安い180円。酒税法の穴を突いた、ある意味、画期的な商品となりました。
さらには、1995年、サッポロがより税率が低くなる麦芽比率25%以下の「ドラフティー」を160円で発売。サントリーも1996年に麦芽比率25%以下の「スーパーホップス」を145円で発売して追随します。その後、発泡酒はキリンが1998年に「淡麗〈生〉」を発売し、アサヒが2001年に「アサヒ本生」を発売し、大手4社すべてが発泡酒を発売しました。
発泡酒だけでは終わりません。2003年、サッポロが麦芽を一切使わずエンドウたんぱくを使った「ドラフトワン」を発売。これが「第3のビール」で、のちに「新ジャンル」と呼ばれるように。これにもビールメーカー大手は追随し、安売り競争の時代に入ります。財務省としては「また酒税法の穴を突いてきたか……」といった気持ちだったことでしょう。
そういった時代を経て、今回の酒税統一に至ったわけですが、各社すでにビールの値下げを表明していますし、本当に良かったと思います。サントリーがこれまで新ジャンルだった「金麦」をビール化すると発表しましたが、これも大歓迎。今まで培ってきたブランド力を活かせるわけで、各社続々と発泡酒のビール化を表明しています。
なぜ私がこの流れを歓迎するかといえば、発泡酒と新ジャンルはメーカーが頑張って「ビールっぽい飲料を安く提供する」という努力をした結果の産物だからです。そんなの世界中見渡しても日本だけですよ。
本当はメーカーもビールの方がウマいことは分かっていたはず。しかし、消費者は安いものを求めるため、恐らく忸怩たる思いで「よりビールに近い味わいのものを、酒税法の隙間を縫って開発する」という選択になったのでしょう。
