銀座の一等地のビルで何が起きているのか(GinzaNovo)
銀座と有楽町を結ぶ数寄屋橋交差点という最高の立地に立つ煌びやかなビル、「GinzaNovo」(以下・Novo)に異変が起きている。銀座の一等地にありながら静まり返っている巨大商業施設。そこで何が起きているのか。ジャーナリストの赤石晋一郎氏がレポートする。
数少ない行列店も「当店も閉店する予定です」
銀座に廃墟がある――。
そんな噂を聞きつけて筆者がNovoを訪れたのが今年2月のことだった。館内に足を踏み入れると異様な光景が広がっていた。フロアの半数近くの店舗が閉店の看板を掲げており、買い物客がおらずガラガラ。暇を持て余した店員が談笑している姿が目に付いた。人影があるのはソファースペースだけ。サラリーマンが無料で休める穴場になっていたようだ。
飲食店の店主はこう溜息をついた。
「ご覧のように、いつも人は疎らです。客が全然入りません。うちも退店を決めました」
半年後、9月9日に再びNovoを訪れると異変はさらに加速していた。
メイン入り口の動線だった巨大エスカレーターは停止しており、案内板を見ると、Novoの建物で営業しているフロアはB2、1、2、6階と8~11階。B1、3~5階、7階、そして屋上階は閉鎖されており、「改修工事中」と表示されている。2階からエレベーターに乗ろうとすると、人気のない薄暗いエリアをひたすら歩くことになり、商業施設とは思えない雰囲気だ。7月に撤退したテナント社員はこう語る。
「駅直結の立地で東急プラザ銀座だった時代は結構人が来ていました。でも、それ以降は客足が鈍り、最後は在庫セールをやっても人が集まりませんでした」
フロア案内には「改装中」の文字が並ぶ
飲食店フロアである10、11階に降り立つと、ほとんどが閉店して静まり返っている。営業するのは4店のみ。Novoで数少ない行列が出来る人気店「つるとんたん」の店員にガランとした飲食店フロアについて尋ねると残念そうにこう語った。
「実は当店も10月に閉店する予定となっております……」
銀座の一等地に立つ商業施設はなぜスカスカになってしまったのか。
Novoの前身である東急プラザ銀座は、2007年に東急不動産が東芝から約1600億円で購入し、2016年にオープンさせた。延べ床面積5万平方メートルという大規模施設はオープン時に大きな注目を集めたが、徐々に苦戦が伝えられるようになる。
2023年には東急不動産ハードディスクが東急プラザ銀座を三井住友トラスト・パナソニックファイナンスに売却すると発表する。
「譲渡価格は非開示ですが、東急不動産HDの同施設の簿価が1185億円で、2023年3月期に211億円の減損損失を計上しています」(経済記者)
この建物に外資ファンドが触手を伸ばした。

