超ド級SUVであるが、その運転感覚は「軽快にしてしなやかであり、ドライブに独特の楽しさがある」ことで、「ドライバーズカーとしても極上」という感想
本来の主役はこのシートに座る人たち。走るプライベートジェット、などと表現できるほど極上の乗車感を実現している
もはやこの手のラグジュアリーカーには必需品の足置き台(フットスツール)、オットマンはもちろん装備
フロントシートの背面にそれぞれ11.6インチの高解像度ディスプレイを備えた「MBUXリアエンターテインメントシステム」が標準装備
ドライバーズカーとしても一級品だった
こうした走りを表現する際、「魔法の絨毯のような乗り心地」などという、ツッコミどころ満載の言葉を使ってしまいます。もちろん空飛ぶ絨毯などに乗ったこともなければ、多分、今後もないでしょうが、ひょっとするとこれが「その味」と表現できそうなんです。
エアサスペンションの仕上がりのよさと、後輪が最大10度操舵する「リア・アクスルステアリング」を標準装備しているため、路面の継ぎ目や荒れた舗装をほとんど感じさせることなく、フラット感を維持しながら加減速も曲がりも、涼しい顔をしながら走るのです。市街地でも郊外でも、そして高速でも、フラットでソフトな感覚は全く変わりなく維持されるのです。さらに専用の「Maybach Drive」モードでは、後席乗員の快適性を最優先に制御されます。加減速や車体姿勢変化を極力抑え、ショーファーカーとして理想的な移動空間を作り出しているのです。そんな得も言われぬ感覚こそ、マイバッハならではの世界観なのでしょう。
その走りを味わいながらBEV時代の新しいマイバッハ像があるように感じたのです。少し現実的なスペックを見てみれば118kWhの大容量バッテリーを搭載し、日本仕様ではWLTCモード640kmの航続距離を実現しています。当然ですが国内最大級の150KW級の急速充電にも対応し、実用性も高いです。
これまでマイバッハと言えば超高級車の象徴のひとつとして捉えられていました。もちろんそのポジションには変わりがありませんが、とにかくBEV化によって、静粛性や滑らかな加速性能といったラグジュアリーカーに求められる条件を、内燃機関のモデル以上に磨き上げてきたように思いました。あえて言ってしまえば「高級車を追求した結果、EVが最適解となった」ということでしょうか。
そしてもう一つの事実に気がつきました。ほぼ一日中、この車のステアリングを握り、ドライバーの立場で走り込んだのですが、ドライブは実に楽であり、そこには楽しささえ見いだすことが出来るのです。極上の乗り心地だけでなく、ロングホイールベスでありながらも後輪を操舵する「リア・アクスルステアリング」が標準装備されているため、最小回転半径は5.1mと案外小回りも効く。当然ながら操作は快適にして楽。敢えてトータルでの走りを表現すれば「楽しさ(FUN)」であり、「ドライバーズカー」という顔も持ち合わせていたのです。



