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ビジネス

ドイツの鉄道メーカーが「日本に工場」をつくる理由 独自規格、商習慣の違いの壁を越えて「メイド・イン・ジャパン・フォー・ジャパン」を実現、日本をアジアの鉄道ビジネスのハブに

クノールブレムゼが開発した鉄道車両用オイルフリーコンプレッサー(画像:クノールブレムゼ鉄道システムジャパン)

クノールブレムゼが開発した鉄道車両用オイルフリーコンプレッサー(画像:クノールブレムゼ鉄道システムジャパン)

省力化技術とアジア展開

 現在、日本の鉄道業界では、省力化が大きな課題になっている。とくに鉄道車両においては、メンテナンスの省力化が求められている。鉄道以外の業種と同様に、人手不足や材料費高騰などの社会課題に直面しているからだ。

 その点、ヨーロッパでは、日本よりも先に他の交通機関が発達し、鉄道の斜陽化が進んだこともあり、先述した省力化に長らく取り組んできた歴史がある。クノールブレムゼは、そのニーズに応えてきたメーカーの1つだ。

 省力化を実現した同社の代表的な製品の1つに、鉄道車両用のオイルフリーコンプレッサーがある。これは、圧縮部のオイル(潤滑油)が不要で、メンテナンスが容易だ。動作するときの音が静かで、各部品の状態を常時監視できる機能を持つ。

 同社のオイルフリーコンプレッサーは、ドイツの電車で初めて採用されたのち、日本の電車にも導入された。今後は、日本を拠点にして、アジアの国々にその技術が伝わることになる。

 この動きが、課題に直面した日本の鉄道市場にどのような影響を与えるか。今後も注視していきたい。

【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術解説者。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務をへて独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。「川辺謙一ウェブサイト」も随時更新。

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