閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
キャリア
私大入試「狭き門」化の裏事情

【大学受験】一般入試が激戦化で浪人増加は2027年も続くのか?「推薦入試の拡大が影響」は大きな誤解、なぜ私立大学は合格者数を絞り込むのか

「総在籍数」をもとにした定員管理が年々厳格化

 もし、推薦や総合型選抜の増加が一般選抜を厳しくしている原因であるのなら、その影響は毎年少しずつ積み上がるはずで、2026年に急に厳しくなる理由にはならないだろう。

 では、一般選抜の枠が狭まった本当の理由は何か。それはSNSやウェブ記事で大学教員やジャーナリストが指摘するように「定員の厳格化」だ。

 大学は一定以上、定員を超過すると国からの補助金がカットされる仕組みになっている。この仕組みがこの数年で変わったのだ。2022年秋、文部科学省から大学の定員管理の基準を変えるという通知がなされた。それまでは「入学者が定員オーバー」だとペナルティが課されるという仕組みだったが、2023年以降は「大学1年生から4年生までの4学年分の総在籍者数」が対象となった。大学4学年全体で定員を一定以上オーバーすると補助金がカットされるようになった。

 この「一定以上」という基準は段階的に厳しくなっており、学生数8000人以上の大規模大学の場合、2023年は定員の1.3倍だったが、2024年に1.2倍、2025年で1.1倍となっていった。

 このように、2025年に定員の1.1倍以上の学生がいると、補助金がカットされるようになった。前述のとおり、2023年は1.3倍だったので、その時に多めに学生が入学していた大学は、調整のために、2025年入試の合格者を減らしたのだ。それでも「総在籍数」が多くなってしまっている大学は2026年も合格者を絞りこんだ。

入学辞退者数を読み切れず合格者を絞る事情

 そして、2026年は私立大学が繰り上げ合格もあまり出さなかった。少子化で国立大学が合格しやすくなっているため、「国立に進学するから私立大学を辞退する」というケースが減ったからだ。大学入試自体のハードルは以前より下がっているが、私立大学は定員厳格化で厳しくなった。

 定員の1.1倍以内にするべきというのは厳しい話だ。一般選抜は合格しても入学辞退ができる。そのため、大学は「合格者のうち何人ぐらいが入学してくれるか」ということを推測して合格者を出すが、これはなかなか難しい。ある学科で一学年の定員が40人としよう。その場合、44人が入学してきたら基準をオーバーしたことになる。

 そのため、2026年入試は合格者数を絞りこんだ大学が多く、その結果として、厳しい入試となった。では、今後も一般選抜は厳しい状態が続くのだろうか。後編記事では、2026年入試で特に狭き門になった法政大学の入試センター長を取材し、今後の動向について解説している。

▼▼▼関連記事▼▼▼
【詳しくは…】「旧帝大合格でも不合格」2026年入試が“狭き門”となって注目された法政大学、一般選抜の入学者が前年比1524人減の背景と今後の見通し《入試担当者に聞く》

【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(ともに青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)などで連載をしている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも更新中。

注目TOPIC

よく一緒に読まれています

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。