現在はお笑い芸人としても活躍する松本昌平氏
AIの進歩はコンサル業界にも打撃を与えている。東大・京大の就活生に人気の高いエリート業界でありながら、その仕事がAIに奪われ始めているというのだ。話題書『コンサルたちの憂鬱』(BOW BOOKS)の著者・松本昌平氏に聞いた。【AI時代のコンサルはつらいよ・前後編の後編】
残された可能性はAIと人間をつなぐ仕事
松本氏は、キャリア官僚として総務省や財務省で勤務したのち、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)や経営共創基盤などでコンサル業に従事した経歴の持ち主だ。現在はお笑い芸人としても活躍する傍ら、「コンサル業の黄昏」を赤裸々に綴った著書を上梓した(以下、「」内は松本氏)。
若手コンサルの仕事はいかにしてAIに奪われているのか。
「成長を求めて入社する若手は、最初に例えば会議の議事録作成を担当し、そこで論点整理や構造化の力を鍛えたり、他にも仮説構築や調査設計などの力を身につけるのが通例です。しかし、そうした仕事はすべてAIに任せられるようになってしまった。成長したくて入ったのに、成長の場がなくなってしまったのです。これからコンサル業界に入ろうとしている若手には、基礎が学べず成長できないので、私はお勧めしません」
中堅以上のコンサルも、その業務内容が変化し始めているという。
「今はまだAIが完璧ではなく、経験値を動員してAIが出力した結果の目利きができるコンサルは、むしろAIを駆使してパワーアップしています。こうしたトップ層は今後もしばらくは安泰でしょうが、そうでない中堅コンサルの仕事は、頭脳労働から人との関わりを重視する人間チックで泥臭い業務に変わっていくはずです。人手不足の企業をサポートする人材派遣的な仕事、オペレーション現場に常駐する仕事などが中心になるのではないか」
松本氏自身、コンサルに残された可能性を模索している最中だという。
