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裁判傍聴の手順とマナーは? マニアが語る傍聴の醍醐味

「私が初めて裁判の傍聴に行ったのは、大学の一般教養で『法学』という科目を選択したところ、『裁判を傍聴してレポートを書け』という課題が出たからです。もともと死刑制度や冤罪事件などに興味があったのですが、そういった“有名な事件”じゃない裁判を最初に見たのが良かったのだと思います。

 私が初めて見た裁判は、どこにでもいそうな20代のサラリーマン風の男性がクラブで大麻を吸ったという事件でした。裁判では、男性の出身地、生年月日、家族構成、学歴、婚歴、勤めている会社などが読み上げられ、『○○というクラブに行き、そこで見知らぬ男性から大麻を吸わないかと言われ、好奇心にかられて大麻を購入し……』といった具合に、犯罪の一部始終が説明されました。

 法廷内はガラガラで、裁判を傍聴しているのはおそらく関係者ばかり。証人として呼ばれた妻は、涙を流して夫を更生させることを誓い、裁判後には、法廷前の廊下で執行猶予が付いたことを喜ぶ2人の姿がありました。垣間見える人間ドラマに非常に興奮し、以来、足繁く傍聴に通うようになりました」

一度でも傍聴したら「絶対にあそこに立ちたくない」と思う

 それ以来、十数年にわたって傍聴を続けているというYさん。印象に残っている裁判はどんなものか?

「私と同じ43歳で、窃盗で8回の服役経験がある人がいました。被告が『もう2度とやりません』と反省の弁を述べているのに、裁判官に『これまで8回も刑務所に入ってきて、何で今度はやらないって言えるの?』と言われてしまったシーンは、申し訳ないですが頷いてしまいました。窃盗の裁判は累犯(同じ罪を繰り返すこと)が多いです。

 それ以外にも、『勤め始めたばかりの初日で、売ったDVDは1枚だけ』という違法DVD販売容疑の大学生、借金を返さない友人を裸にして携帯電話で撮影して逮捕された男性、出会い系で出会った相手に『とても良いから』と言われて覚醒剤を打たれ、錯乱して自分で交番に駆け込んだ男性など……。どれも『いかにもありそう』だから印象に残ります。通っていると、だんだん自分の好みの裁判官が分かってくるので、それを狙うのもアリだと思います」

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