自分がどう考えるかより「何が常識か?」が重要
要するに、お金を払うかどうかというのは、「自分の信念」に合わせるか、「社会の通念」に合わせるか、ということになってしまうのですね。冒頭でも「社会人の奢り」が72%だったというデータがありましたが、これが社会の通念です。そうしなかった28%は学生から見たら「ケチなおじさん・おばさん」ということになってしまいます。
「ちょっ、待てよ……。お前、ウチの会社に入りたいからってお願いしてきたから超忙しいのに時間なんとかこさえてやったんだろ? お前から逆に喫茶店代もらいたいし、本音を言えば、1時間3000円のコンサル料もらいたいぐらいだわ。『ケチ』ってなんだよ……」
こう思ってしまうかもしれないですが、これが多分通用しないのが社会人と学生の関係です。学生の横のネットワークで「○○社の××ってヤツはコーヒー代を割り勘にするケチ」みたいな情報でさえ回ってしまい、就活終了後のアンケート等で企業の実名を挙げてそのことまで書かれてしまうかもしれない。
「とにかく学生が来たら全部出す」――これを徹底した方が損はしません。少なくとも評判は下がりません。もし、本当に「自分の時間を使うのもカネを使うのもイヤ」だと思うのならば、一切OB訪問は受けないという信念を持つべきでしょう。その方が学生にとっても良い。ただし、そういう態度を取るのは自分が学生時代、社会人からまったくお世話になっていない、という方のみであってほしいものです。親切というものは年長者から若者に渡り、その若者が後にさらに若い人に繋いでいく、そういうものなのです。