投資

円安基調が続くドル円相場、GW中も「潜在的な円高要因」に要警戒

トランプ大統領が「ドル安円高」を望む可能性は常に持続している

 米国は、日本から輸入する鉄鋼・アルミニウムに、輸入制限措置を実施している。欧州連合(EU)やカナダなど7カ国・地域は関税の適用を一時的に猶予しているのが、日本と中国には適用となっている状況だ。

 先般行われた日米首脳会談で、安倍晋三首相は他の同盟国と同様に適用除外となるように交渉を進めたが、会談後の会見で、トランプ大統領は日本の鉄鋼・アルミ製品を適用除外にすると明言しなかった。そして、日米間での新しい貿易協定としては、トランプ大統領は二国間貿易協定がより望ましいとして、自由貿易協定(FTA)を推奨した。

 トランプ大統領が、日米の貿易不均衡を解消するために、今後、さまざまな要求をしてくることが予想される。

 今回の日米首脳会談で、為替に関してはテーマに挙がっていないが、日米貿易不均衡を解消するための一助として、トランプ大統領が「ドル安円高」を望む可能性は、常に持続している、と考える。

 ゴールデンウィーク期間中に取引をする場合には、こうした問題が新たな展開を迎えるかもしれず、世界各国の動きから目が離せなくなる。せっかくの休みなのに気が休まることがないだろう。

 それでも、保有しているポジションを整理して、ゴールデンウィーク中は取引を休むと決めれば、必要以上にニュースをチェックする必要もなくなる。

 どちらを選ぶのかは、それぞれの投資家自身の判断だが、ただ一つ言えることは、ゴールデンウィークが明けても相場は存在しているということ。無理をしないで、のんびりと構えて、ゴールデンウィーク明けに頑張るためのエネルギーを養うことも、有益な時間の使い方ではないだろうか。

(2018年4月27日東京時間00:30記述)

◆松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行っている。HPは「松田哲のFXディーラー物語」(http://matsudasatoshi.com/)。メールマガジン「松田哲の独断と偏見の為替相場」も発信中。

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