キャリア

「年齢不問の求人」を謳っても65歳以上の実際の雇用は13.5%に過ぎない

合否の返事すらもらえないこともあるという(イメージ)

「人生100年時代」が現実になろうとしている。国連の推計では、現在68歳の日本人が100歳を迎える2050年には、100歳以上の人口が100万人を超える。

 未曽有の高齢社会に備えて政府の有識者会議は、「年齢に関係なく働き続けるエイジレス社会を実現する」との目標を掲げ、別の有識者会議は「年金75歳支給」の議論を始めた。

 もちろん、寿命が延びるのは喜ばしいことだ。「生涯現役社会」の構築をめざす政府の後押しのもと、定年後も健康を維持して75歳くらいまで働き続ければ、長生きする分の“費用”も稼ぐことができ、100歳までの人生を謳歌できる――そう心を躍らせる高齢者は多いはずだ。

 だが“バラ色の老後”の実現は難しい。現在は法律上、60歳の定年後も希望者全員を65歳まで「再雇用」することが義務づけられているが、65歳を超えると働く場が見つからないのが現実だ。

 ハローワークで職探しをしている71歳元メーカー勤務の男性が「再就職は絶望的です」と肩を落とす。

「年齢や希望の職種を入力すると10件以上ヒットしますが、ほぼ書類選考で落とされます。返事があるのはマシなほうで、1か月近く待たされた結果、不採用という企業も少なくありません」

 人手不足が唱えられる現在、60歳以上の有効求人倍率は上がっているが、実際の就職者数は伸びていない。内閣府の調査(2015年)でも、60歳以上で就労を希望する割合は71.9%だが、65歳以上で実際に雇用されているのは13.5%だ。

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