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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

なぜパワハラが横行するのか? 広告業界のケースで考える

ビジネスの現場におけるパワハラの構図とは(イメージ)

 2018年に入り、様々なパワハラ案件が報じられている。記憶に新しいのは、日大アメフト部の監督が、選手に対して「試合に出たければ相手QB(クオーターバック)を潰してこい」とコーチを通じて指示をしたという件だ。試合機会とこれからのアメフト選手としての将来を考えた選手はこの指示に忠実に従い、結果、日本を揺るがす大騒動に発展した。

 ここまでのレベルではないものの、パワハラは普段のビジネスシーンでも発生している。これまでに様々なパワハラを見聞きしてきた広告業界出身のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が「私が見た広告業界パワハラ」を明かす。

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 広告業界では、自殺した元電通・高橋まつりさんの例に象徴されるように、「広告代理店内パワハラ」がよく取り沙汰されます。確かに多いです。上司が部下に対して「お前、使えねぇなぁ!」と言うのはよくあることですし、殊更に下請けの優秀な若者と新入社員を比較して「○○君の方がお前よりも何十倍も優秀なんだよ! お前なんかを採用するのではなく、○○君をウチの人事は採用すべきだったな」なんて言うこともある。

 しかしながら案外と多いのが、「クライアントのエライ人→広告代理店営業担当」へのパワハラです。ネットでは広告代理店こそ悪の存在のように扱われがちで、様々な陰謀に加担しているかのように見られていますが、実のところは「規模の大きい下請業者」でしかありません。

 電通だろうが博報堂だろうが、クライアント様から扱いを切られることを極度に恐れ日々クライアント様の元へお伺い参りをし、なんとか仕事を取ってくる。クライアント様からすれば伝家の宝刀「次は競合にしてもいいんだけど」を振りかざせば代理店の営業マンは「ははーっ」とばかりにへーこらし、なんとかエライ人の言うことを聞くのです。

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