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キャリア

地方移住のメリットとデメリット 長野に転居した30代FPの場合

30代で地方移住したら……(写真はイメージ)

「田舎暮らし」や、都会と地方に家を構える「二拠点居住」が注目されている。職種によっては「どこに住んでいても仕事ができる」時代──では、実際に働き盛りの世代が移住したら、生活はどうなるのか。東京から長野に移住したファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が、自身の体験をもとに解説する。

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 私は、東京都内で10年弱会社員として働き、2013年、30歳の時に縁もゆかりもない長野県佐久市に移住しました。東京から北陸新幹線で行けば、軽井沢の次、「佐久平駅」まで約80分です。

 30歳で移住することなったきっかけは結婚でした。ただ、その時点で夫の“長野歴”も私より2年ちょっと長いだけ。今では長野との縁を感じていますが、親戚・知人が居たわけではありません。結婚する時には、どちらが移り住むかを相談して、会社員の夫が転職して東京に住むのではなく私がファイナンシャル・プランナーとして独立開業することを選んで長野に住むことになりました。

 そもそも田舎暮らしをしたいという強い願望があったわけではないので、自然に囲まれた地域ではなく比較的便利なエリアを選択しました。住まいは駅まで徒歩圏内、住宅地の中の一軒です。

“山の中の一軒家”のような田舎暮らしを夢見ている方には「そんな中途半端な……」と思われるかもしれませんが、私としてはこの選択で大正解だと思っています。

田舎暮らしでもコストはそんなに下がらない

 実際に、少し車に乗れば人里離れた地域もあります。ですが、私たちのような外に働きに出ることが多い場合には、そういった地域に住むのは苦労のほうが多い印象です。庭が広ければ草刈りなどメンテナンスが常に必要です。何かを買いに行くのも車で片道30分かかる地域でもあります。外食するのも一苦労。雪が積もった場合、かなりの雪かきをしなければ外界と隔離されてしまいます。

 特に定年退職してからそのような地域に移住することを考えている場合、時間はたくさんあっても体力が落ちているケースがあります。移住を考えている方は、慣れない暮らしの中でそこまで労力を割けるか、慎重に検討すべきでしょう。実際、地方では体力のある若い層でもそうした苦労を嫌って市街地に引っ越してくることが少なくありません。

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