中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ゴーン前会長は時給45万円? そんな人が同じ組織にいたらやっていられない

 年間20億円ということは、365日休み無しで働いたとしても日割りで547万9452円。1日12時間バリバリ働くと仮定しても、時給は45万6621円です。そんなゴーン氏が工場に視察に来たとしましょう。1時間いて何やら指示をして帰っていった。

 はい、今月のオレの給料より多いじゃねぇか! オレは大名に搾取される農民か、よし、一揆を起こしてやる! ウチの会社のCMに出て「やっちゃえ、NISSAN」なんて言っていた矢沢永吉がかつて「お前の人生、矢沢の2秒」なんて発言したっていう都市伝説があるけど、「オレのひと月より、ゴーンの1時間!」みたいな気持ちになってしまうかもしれない。

 実にさもしく、情けなく、小物臭100%漂う話になってきましたが、結局「一億総中流」を望む気持ちがどこかにあるんじゃないかと思うんです。私自身、かつての広告代理店に勤務していた時代(1997~2001年)には、労働組合に入って「待遇上げよ!」なんてことを熱心にやる会社員ではなかったですが、なんとなく当時の社内の空気は「同じ釜の飯を食う仲間」的な感覚があり、非常に呑気でした。そこまで社内の給与格差もなく、「ずっと頑張っていれば、いつかは部長ぐらいはなれるかな」という希望もありました。

 結局競争も嫌い、勝負もしない、才能もない私のような凡人からすれば、ゴーン氏のような突出した存在が同じ組織内にいることは耐えられないでしょう。無茶苦茶尖った人はいない、でも尊敬できる人は案外周囲に多いな、ぐらいが自分には丁度良いのだと思います。こうした考えに近い方っていらっしゃいますか?

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