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株を買う側が買われる立場に ひふみ投信運用会社、新規上場の勝算は

 同社株の想定発行価格は2010円、12月6~12日のブックビルディング(申込)期間を経て13日に公開価格が決定される。気になるのは25日の上場初日につける初値がどうなるかだろう。経済ジャーナリストの和島英樹氏はこんな見方をする。

「11月27日の説明会で藤野社長が語ったように、同社のファンドには投資家の積み立て投資によって毎月、推定60億円の資金が継続的に入ってきており、今後も順調な成長が期待できます。ただ、IPO時に人気化するかとなると話は別。一般の投資家には『なんでファンドが上場?』という印象があり、製造業のようなわかりやすい成長イメージが描きにくい。またソフトバンクの大型IPOに資金が集中することで需給が悪化するという見方もあります。

 それでも、その時の地合い次第ですが、ひふみのファンがレオス株を買うことも予想され、また年内のIPOはレオスが最終案件ということもあって、初値が公開価格の15~20%上昇というのはあってもおかしくない。一方で値崩れは考えにくいのではないでしょうか」

 では、上場後の株価の値動きはどうなるか。

「その後の株価推移については、ソフトバンクのIPOがカギを握るかもしれません。通信子会社が上場することで、親会社のソフトバンクグループは投資会社とみなされ、通信セクターから証券・商品セクターへと移ります。証券・商品セクターに巨大な銘柄が誕生することで機関投資家などは投資対象のリバランスが必要となり、同セクターへの注目度が高まります。それに伴って運用会社であるレオス株にも注目が集まれば、中長期的な株価上昇も期待できるかもしれません」(同前)

 日本株を中心に運用してきた同社は今後、「世界株」、さらには「未上場株」の運用を見据えているという。上場を果たし、株を買われる立場になった藤野氏がさらなる拡大路線でどう腕を振るうのか、注目が集まっている。

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