中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

採用担当者が出会った中で「最も優秀な学生」は何が凄かったのか

 今回紹介するA君には「B」をつけました。本当は抜群の「A」なのに「B」にした理由は、本命企業が別にあるorどこの会社でも内定を取るであろうニオイがプンプンしたからです。

 元々、OB訪問のアポ入れ電話の時から非常にしっかりとした受け答えをし、重低音のその声は電話越しからもほれぼれとするようなものでした。実際に会社の20階のラウンジで会ってみたら、会った瞬間に人事に推薦するレベルである「B」をつけるであろうことは分かりました。あれから19年経った今でも彼と初めて会った時のことは鮮明に思い出せるわけですから、本当にそのオーラがあったのでしょう。

 体育会ラグビー部だという彼は、身長はそれ程大きくないものの、ガッチリした体型で、スーツも似合っていました。ニッコリと笑うと真っ白な歯がのぞき、「今日はお時間を作っていただきましてありがとうございます」と例の重低音の声で言い、機敏な動作でお辞儀をします。

彼の言葉から導き出された「現実的な夢想家」という評価

「どうぞお座りください。何飲みますか?」と聞き、面談(面接)は開始。

 面接の必勝攻略法といったものがありますが、彼に会って分かったのは「とにかく自分の『やり遂げた』と思う体験を語れ」「面接官が経験していないであろうことを語れ」ということになります。

 後者についてまず言うと、学生って往々にして面接官に「知識マウンティング」を仕掛けてくる傾向があるんですよ。私のいた会社の場合だと広告や広報関連の話をするわけですが、学生は「いかにして学園祭で、企業とタイアップしたカップラーメンを売ったか」みたいな話を武勇伝として語るのですね。こちらとしてはイベントでの頒布なんてものは日常業務としてやっているわけなので、何も目新しくないのに加え、正直「お前、プロにケンカ売ってるのか?」なんて思うんですよ。

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