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「やよい軒」おかわり有料化の波紋、定食チェーンのおかわり事情

定食チェーンでの「おかわり自由」は当たり前ではない

 やよい軒以外の定食チェーンでは、ごはんのおかわりや大盛はどういったシステムで提供しているのだろうか。それぞれ店舗によってサービス内容や価格は異なるが、有名定食チェーンにおける大まかなシステムは以下の通りだ。

・大戸屋→ごはんの大盛は無料。
・めしや宮本むなし→ごはんおかわり自由。
・まいどおおきに食堂→店舗によって異なる。大盛り無料の店舗も多数。
・ザめしや→ごはん(小):130円、ごはん(中)162円、ごはん(大):195円(以上税込)。
※「まいどおおきに食堂」と「ザめしや」は、自分でおかずを選ぶシステム。ごはんは単品メニュー扱い。

 めしや宮本むなしはおかわり自由となっているが、それ以外の定食チェーンでは、おかわり自由とはなっていないケースが多い。

「個人経営の定食店であれば、おかわり自由は珍しくないのですが、定食チェーンとなるとおかわり自由は当たり前のシステムではないということ。そういう意味では、やよい軒のおかわり自由システムは、消費者にとってとてもありがたいものです。その一方で、そもそもおかわり自由は当たり前ではないのだから、やよい軒としても、おかわり自由を続けるには、それ相応の努力が必要だということでもあります」(小浦氏)

 ちなみに、居酒屋のランチ営業ではごはんのおかわり自由というチェーンも少なくない。『テング酒場』や、日替わり定食を500円で提供する『さくら水産』などは、ランチの定食メニューでのおかわり自由を実施している。

「居酒屋のランチは、店舗の稼働時間を長くすることにくわえ、夜の営業のための宣伝といった意味合いもあるので、多少サービスしてくれていると考えられます。ランチの営業時間が限られているということも、おかわり自由をやりやすい理由のひとつでしょう」(小浦氏)

 定食チェーンではないが、とんかつの『和幸』、牛タンの『ねぎし』、『ステーキのくいしんぼ』などといったチェーン店でも、ごはんのおかわり自由を実施している。

「これらの場合は、そもそもの単価が高めということもあって、おかわり自由という形でサービスをしているという側面もあるでしょう」(小浦氏)

 やよい軒のように安価の定食メニューで終日おかわり自由にするということは、コスト的にも決して簡単なことではないだろう。しかし 当たり前ではないからこそ、消費者に喜ばれるやよい軒のおかわり自由サービス。今回の有料化実験の結果を受けて、果たしてどのような判断がなされるのか、注目が集まる。

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