中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

氷河期世代が直面した過酷な就活と植え付けられた劣等感

 先ほど「男子学生と」と書きましたが、いわゆる現在における「Fラン大学」の男子学生にはもしかしたら来ていなかったかもしれません。不人気企業のハガキには料金後納ハガキがついており、切手は不要でしたが、一部人気企業の資料請求をするには切手を貼る必要もありました。

 かくして男子学生はとりあえず「エントリーはできる」状態だったのですが、女子学生は、まずこれらの冊子を入手する必要があります。男子学生があらかた人気企業のハガキを切り抜いた後の冊子を頭を下げてもらい、そこから不人気企業に資料請求をすることとなるのです。

 企業の側としては「あれ、オレらこの大学の女子に送ってないけどな……」なんてことは思いつつも、「まぁ、いいか」とばかりに会社案内に参加させてくれました。しかし、「こいつ、絶対に知り合いの男からもらったな。参加させてやるわけねーよ」とばかりに返事さえしてくれない企業もありました。私の姉や友人女性たちはこうした経験をしています。

「人生再設計世代」と呼んでもらっても、もう遅い

 そして、実際に就職活動が開始すると、とにかく通らない! 120社に資料請求をし、セミナーに参加できたのは30社。内定は1社、なんてことも聞きました。私自身は17社受けて広告代理店1社の内定をもらえましたが、採用数は通常は100~120人のところ、私の年は66人しか採っていません。

 そんな年の新入社員になったものですから、翌年も氷河期は続行中で入社2年目になっても担当部署に新人は入ってきませんでした。先輩社員は「今年も最若手で良かったなw かわいがってもらえるぞw」なんて冗談で言ってくれたものの、本音でいえば、後輩が欲しかった。

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