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無断キャンセルに悩む飲食店を救う「顧客管理」という名のブラックリスト化

 3点目は、このシステムが主要なグルメサイトとつながっている点だ。システムは、『食べログ』『ぐるなび』『ホットペッパーグルメ』など22のサイトと連携している。つまり、この台帳システムを介して予約をした客の情報だけでなく、グルメサイトでネット予約した客の情報ももれなく管理できるのだ。

 台帳システムには、一般的な顧客情報のほか、キャンセル履歴も残されるようになっている。しゃぶしゃぶやすき焼きをメインに供する『銀座 瀬里奈』支配人の田坂信介さんが言う。

「無断キャンセルをした人のデータを集められるようになってから、予約時点で、過去の履歴をチェックして対応できるようになりました。ノーショー履歴が2回以上ついているかたには、予約を受けたとしても人気のない席を用意したり、来店時間を調整させていただいたりします。

 ノートで管理していた時は見過ごしもありましたが、今は漏れなくキャンセル履歴が把握できるので、お客様によっては、席が空いていてもきっぱりお断りすることもあります。当店を気に入ってご来店いただくお客様に、より心地よく過ごしていただきたいからです。そう考えると、このシステムは、“顧客管理という名のブラックリスト”といえるかもしれません」

 現在、同システムは世界19か国に導入され、約4000店舗が加入している。日本でも、グローバルホテルチェーンや有名レストラングループが導入している。前出『瀬里奈』であればグループ5店舗で情報共有できる。グループ店舗ですべての予約実績を横断的に見ることができる。

 本来は「適切なサービス提供」を目指して導入されたシステムながら、多岐にわたる顧客情報が過去の“悪い履歴”をも蓄積し、心ない客に対しては店側がそれを有効利用できるようになったのだ。テーブルチェック社の仁木有花さんが語る。

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