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業績急回復中の三菱商事と三井物産、就職人気では逆転劇も

三井物産のLNG運搬船(写真:時事通信フォト)

三井物産のLNG運搬船(写真:時事通信フォト)

 戦前の財閥時代から連綿と続く三菱グループと三井グループの争い。グループを支える柱のひとつである「商社」は、2016年に資源価格の暴落で三井物産、三菱商事ともにまさかの最終赤字に転落したが、現在は両社とも業績が急回復している。

 三菱商事は2019年3月期決算で過去最高益を更新した。三井物産は減益だったが、現在は金属関連の事業が好調で、来期予想では8期ぶりとなる最高益更新を見込む。

 両社の判断が分かれるのはエネルギー事業だ。

「ロシア企業が進める北極海の液化天然ガス(LNG)開発事業について、三井物産は参加を表明し、三菱商事は当面の見送りを決めました。一方で三菱商事は再生エネルギーに強いオランダの電力大手『エネコ』を11月に買収しました。エネルギー事業は当たり外れが大きいだけに、どちらの判断が吉と出るか興味深い」(商社関係者)

 商社といえば大学生の就職ランキングで人気上位の常連だが、ここでも“逆転劇”が起きた。

 就職情報会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースが2019年に就職活動をしている大学生・大学院生に聞いたところ、三井物産が男女の文系・理系でいずれも1位になる「4冠」を、1978年の調査開始から初めて達成した。昨年まで1位だった三菱商事は2~10位だった。

「今、就活市場や若いビジネスマンの間では、三井系の人気が上がっている。安定した環境で大きな仕事にチャレンジできるところが魅力的に映るようだ」(経済誌記者)

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