ライフ

「欲しい物を何でも買ってもらえた子」が歩んだ予想外の人生

子供の頃から好きな物は何でも手に入ったという(イメージ)

子供の頃から好きな物は何でも手に入ったという(イメージ)

 欲しい物を何でも買い与えれば、子供が喜ぶのは目に見えているが、そんなことをすれば、我慢することの大切さ、限られたお金を有効に使う計画性、努力して何かを手にする喜びなど、人生を生きる上で大切なことを学ばないまま成長することになる。とにかく親に甘やかされて育ったKさん(40代・男性)は、どんな人生を歩んだのか?

 Kさんは生まれた瞬間から特別な存在だった。開業医の父親のもとに生まれたKさんは3人姉弟の末っ子で、唯一の男の子。跡取りが生まれたことに狂喜乱舞した両親は、幼い頃からKさんを特別扱いし、物心ついてからのKさんも、それを当然のものとして受け止めた。姉2人は公立に通ったが、Kさんは小学校から名門私立校に通い、財布の中にはいつもたっぷりお小遣いが入っていた。同級生のTさんがいう。

「低学年の頃、Kは忘れ物が多くて、しょっちゅう先生に怒られている冴えない子でしたが、ファミコンが発売されて状況が変わりました。Kの家には発売されたばかりのゲームがたくさん揃っており、カセットを気軽に貸してくれるので、瞬く間にKの周りにクラスメイトが群がるようになったんです。Kの家の遊びに行くと、カセットを貸してくれる上に、お母さんがおやつをじゃんじゃん出してくれるので、Kは一躍クラスの人気者になりました」(Tさん。以下同)

 幼い頃から人を物で釣ることを覚えてしまったKさん。ひとたびそのような感覚を知ってしまえば、真っ当な友人関係を築くのは難しい。その後エスカレーター式に中学・高校と進んでも、基本的にやることは同じだった。

「中学に入ると、遊びの舞台はもっぱらゲームセンターやボーリング、ビリヤード場などになりました。Kと遊びに行くと、ゲーム代を出してくれたり、ジュースをおごってくれたりするので、周囲には必ず何人かの取り巻きがいました。Kは当時の中学生なら誰もが欲しがったウォークマンをコロコロと買い替え、ジャンプやサンデー、マガジンなどの週刊漫画雑誌をことごとく買い、財布には常に1万円札が入っていました。

 高校1年生の時、1か月間の海外研修に行った際には、数十万円のお小遣いを持ってきてそれを全部使い切り、周囲を呆れさせましたし、携帯電話を持っている人がほとんどいない1990年頃には、すでに携帯電話を持っていました」

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。