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横尾忠則氏「コロナ社会で執着は不要。大阪人のようないい加減さを」【#コロナとどう暮らす】

 何事もそうだが強い想念を持ち過ぎると、それを現実化させてしまうという自然の摂理、法則を知ることだ。そのためにはマイナス想念を、極力プラス想念に切り替えて、ストレスを一掃するという、精神の力を信じること。精神と肉体は一体化しているので、強い精神に支えられた肉体を創造することで、健康は約束される。

 いずれにしても執着はよくない。生きたいという強い執着が死を呼び寄せることだってある。人間は100%死ぬことになっている。だから、一層のこと諦めてしまうのもいい。この諦めは実に強い。というか、諦めの中に既に生命力が潜んでいるように思う。そして真面目さよりも、いい加減さが時には自分を解き放ってくれる。大阪人は、「しゃーないやんけ」と口癖のように言う。そのことで自分に対する執着を捨てているのである。この精神は実に強い。

 コロナを敵視する前に、僕はコロナを味方につけて、コロナを素材にコロナと共生共有して作品を作っている。コロナアートである。それをツイッターや、インスタグラムで発信し、友人、知人、美術関係者に毎日新作をメール発信して「遊んでいる」。コロナで遊べばいいのである。それ自体が社会的メッセージである。時には言語以上にビジュアルアートの持つメッセージ性はインパクトがある。

 人種、国境を超えて、訴える力がアートの力であり、と同時に人を動かす。コロナが人生を、そして世界に変化を与えてくれる。僕はそう思うことにしている。

【プロフィール】よこお・ただのり/画家。兵庫生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など各国で個展を開催。高松宮殿下記念世界文化賞受賞。美術家として国際的に活躍する一方、小説『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞、『言葉を離れる』で講談社エッセイ賞受賞。横尾忠則現代美術館にて『兵庫県立横尾救急病院展』を開催中。

※女性セブン 2020年6月18日号

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