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医療保険の失敗 入院が短かすぎて給付金がゼロになった60代男性

入院日数の制限で保険がおりないことも(イラスト/河南好美)

入院日数の制限で保険がおりないことも(イラスト/河南好美)

 2019年に椎間板ヘルニアで6日間入院したAさん(60代男性)は、無事に手術を終えたが、肩を落としてこう語る。

「40歳の時、終身タイプの保険へ入ることを決めたのは、『一生涯、しっかり給付金がもらえる』と説明されたからです。それなのに、1円も給付金が出ませんでした……」

 Aさんの保険料は月額3500円。現在までの約20年間で、80万円以上も払い込んでいたにもかかわらず、役に立たなかったというのだ。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が解説する。

「終身医療保険は、加入した時期が早ければ早いほど保険料が安くなりますが、加入時の保障内容が固定されたまま一生涯続くので、時代の流れとズレてきてしまうデメリットもあります」

 かつての医療保険は、7日目以降、120日や360日といった長期入院に対応した商品が多かった。

 しかし、医療の発達と病床数の削減によって、入院患者の平均在院日数は年々短期化。Aさんの場合も、「6日間の入院」で済んだことにより、“7日目以降から給付”という保障が受けられなかったわけだ。

 そういった時代に合わせ、最近では入院初日から給付金が出るタイプのものが多い。ただし、古い保険を解約するデメリットもある。前出の丸山氏の指摘。

「年齢を重ねるほど、月々の保険料などの条件は悪くなっていきます。時代にマッチしていない部分は割り切るか、また別の保険で手当てするという選択肢もある」

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