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【ドル円週間見通し】米GDPの結果次第でドル弱含みも

2020年4-6期の米GDP速報値がドル円にどう影響する?

2020年4-6期の米GDP速報値がドル円にどう影響する?

 投資情報会社・フィスコが7月27日~7月31日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル円は弱含みか。市場参加者の関心は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策論議と米国の主要経済指標に向けられることになりそうだ。特に、米国の4-6月期国内総生産(GDP)は、前例のない大幅な落ち込み(マイナス成長)が見込まれ、早期回復期待の後退でドル買いはやや縮小する展開となりそうだ。連邦準備制度理事会(FRB)は7月28-29日開催のFOMC会合で、緩和的な金融政策の維持を決定する公算。9月公表予定の経済見通しは相当に悲観的との見方が広がるなか、今回は一段の緩和に向けメッセージが示されるか、注目される。市場はFRBのイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の年内導入の見方を変えておらず、パウエルFRB議長の発言が手がかりとなろう。

 30日発表の4-6月期GDPは、生産活動や個人消費の減退で1-3月期の-5.0%から大幅に落ち込むと予想される。米議会予算局(CBO)による4月末時点での予測は前期比年率-39.6%、エコノミストを対象とした通信社の調査でも前期比年率-30%超と記録的な減速とみられている。

 いずれにしても、2007-09年以来の景気後退(リセッション)と認定される見通し。GDPのマイナス幅にもよるが、市場予想を大幅に下回ることがなければ、ウイルスワクチン開発期待で株価は下げ渋り、安全逃避(リスクオフ)のドル買いは限定的となりそうだ。ただ、大方の市場予想を下回る数字だった場合、今年後半における景気回復シナリオを描くのは困難となり、米国株安、長期金利低下、ドル安の可能性もあろう。その場合は、安全通貨の円やスイスフランへの資金流入が予想される。

【FOMC】(7月28-29日開催予定)
 FRBは7月28-29日にFOMCを開催し、現行の緩和的な金融政策を維持する公算。YCC導入に関してパウエル議長は改めて慎重な見解を示すとみられ、ドルは売りづらい見通し。

【米4-6月期 GDP速報値】(7月30日発表予定)
 7月30日発表の米4-6月期 GDP速報値は、1-3月期の前期比年率-5.0%から大幅悪化見込まれる。複数の州で制限措置の再実施で早期回復期待は後退し、有事のドル買いは入りづらい。

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