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ドコモ口座の不正引き出し問題 銀行の仕組み作りにあった穴

ドコモ口座問題で各行のセキュリティに差があることが発覚(時事通信フォト)

ドコモ口座問題で各行のセキュリティに差があることが発覚(時事通信フォト)

 預金者個人が、いまこの瞬間に晒されている脅威がある。「ドコモ口座の不正引き出し問題」で明るみに出たように、銀行に預けているお金が気付かないうちに流出していくリスクがあるのだ。

 これまでは「ネットを通じて口座資金のやりとりをすると、個人情報流出のリスクがある」と思われていたが、今回は違った。「ネットを使っていない人」も預金が流出していたのだ。

「ドコモ口座」とはNTTドコモの電子決済サービスのことだ。銀行口座からお金をスマホに移す(チャージする)ことで、コンビニやスーパー、ドラッグストアでの会計がスマホで支払える。

 その仕組みを悪用して、何者かが銀行の預金者になりすまし、ドコモ口座を通じて口座からお金を不正に引き落としていたケースが相次いで明らかになった。被害はドコモ口座と連携する35行のうち、ゆうちょ銀行、みずほ銀行、七十七銀行など11行で確認され、ドコモの発表によれば172件で総額2776万円に上る(9月22日時点)。

 ドコモ口座が不正流出の“窓口”となったわけだが、だからといって「ドコモ口座なんてやっていないし、そもそもドコモの携帯電話を使っていないから安心」という話ではない。むしろ「ネットバンキングもやっていないし、紙の通帳で預金管理しているから安心」と思っている人こそ、被害に遭いやすかったのだ。

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