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“マスク警察”に無許可でスマホ撮影された 法的対抗手段は?

身勝手な撮影にどう対処するか(イメージ)

身勝手な撮影にどう対処するか(イメージ)

 個人の肖像権やプライバシー保護への意識が高まっている昨今。その一方で、SNSなどに顔写真を無断で公開されることも少なくない。そういった事案に巻き込まれた場合、法的に対抗することは可能なのか? “マスク警察”のケースを例に、弁護士の竹下正己氏を解説する。

【相談】
 近頃はマスクを忘れて街に出ると、いわゆるマスク警察のような人が、スマホで私を撮影します。その行為は恐怖であり、文句をいうと、その様子も動画で撮影しているようでタチが悪すぎます。今の法律ではスマホの撮影を規制するのは難しいでしょうが、それでも法的に縛りをかけることはできませんか。

【回答】
 人は自分の容ぼう等を撮影されたり、写真を使用されないことについて、法律上保護されるべき人格的利益があります。

 それが肖像権です。無断で他人の顔写真を撮ることは肖像権侵害で、不法行為になります。また、その写真を公表することも同様です。しかし、正当な取材行為等のように許されるような場合もあります。撮影された人の社会的地位や活動内容、撮影の場所、目的、撮影態様、撮影の必要性等を総合考慮し、人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるかどうかで判断されます。一般の私人で、世間の注目を集める事件の関係者でもなければ、たとえ公道など公共の場であっても、断わりなく顔を撮影するのは肖像権の侵害です。

 マスクを着用しない人を撮影しても、感染防止には役立ちません。

 コロナの自粛警察は単に不快な思いをさせ、マスク着用を促そうということでしょうが、着用を要求する権利はないのですから、正当な理由はなく、嫌がらせというべき行為だと思います。

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