吉田みく「誰にだって言い分があります」

「お義母さんならタダでしょ」 家事代行の提案が妻の逆鱗に触れたワケ

 妻の母は地方に住んでいるので助けを頼めないが、今野さんの母は同じ区内のマンションに住んでいる。年齢は70歳で、現在は年金暮らし。趣味のフィットネスクラブへ行くのが日課で、それ以外はゆっくりとした生活をしているとのこと。そんな母のことを今野さんの妻は、“暇人”と言い放ったそうだ。

 妻の言い分としては、家事代行サービスを利用したい気持ちはあるが、世帯収入的に気軽に使えるものではないとのこと。これから子供の学費などの出費も増えるので、今はできるだけ無駄使いはせずに貯金に回したいそうだ。そこで妻が思いついたのが、「義母なら無料で家事代行を頼める」という、夫からすると“自分勝手”なアイデアだった。

「きっと母は、私たちが困っているとなれば助けてくれるでしょう。でも、『タダで頼める』という妻の考えや口調からすると、母に嫌な思いをさせることになりそうで……。頼むことが怖いです」

 今野さんが家事代行サービスを提案して以来、妻は「お義母さんに聞いてくれた?」と、催促してくるようになったそうだ。この件を機会に、妻の姑に対する気持ちや態度に不信感を抱くようになった、と今野さんは嘆いていた。

 利用者は増え続けている家事代行サービスではあるが、決して安いサービスではない。金銭的な理由で利用を躊躇うケースがあることはじゅうぶん想像できる。しかし、今野家のように、夫婦2人での育児と家事がパンク状態であれば、思い切って利用すべきケースはあるだろう。

 身内に依頼することで無料、もしくは格安で済むかもしれないが、それには実の息子でも気を遣うことだろう。今野さんの妻の言動から想像するに、義母に頼むことでお金の面では納得できても、今度は“仕上がり”に対して不満を漏らすこともあるかもしれない。

 共働きが当たり前の時代。“家事のアウトソーシング”を誰にどう依頼するかは、多くの人にとって簡単に解決できない悩みの種と言えそうだ。

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