中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

帰省できない年末年始は「お年玉文化」を終わらせる好機か

「お年玉をあげたことがない」と書くと、ネットでは大抵「お前は、自分はもらっていたのに払わないとはなんという非常識なヤツだ」という批判が来るので、事前に予防線を張っています。

 さて、今年は日本全国、お年玉を終わらせるチャンスではないでしょうか。なんで年金生活で余剰資金などない祖父母の負担を増やすのか。コロナでボーナスカットになった人も相当多い2020~2021年の年末年始、「帰省できない」ことを理由に、親戚の子供達にあげるお年玉を金輪際やめてしまうチャンスです!

 流れとしてはこうです。年末年始に「帰省しなかったからお年玉をあげずに済んで助かったwwwww」みたいな書き込みがネットに殺到し、これを見たテレビ局が「日本全国で“お年玉離れ”現象」みたいな特集を組み、ポチ袋の売り上げが激減したことや、子供達が仏頂面で不満を漏らしているコメントなどを流す。そうすれば今後、お年玉をあげないムーブメントが生まれ、余計な習慣がなくなるかもしれません。

 もちろん、それでもお年玉をあげたいと考える方々は、帰省できないまでも「○○ペイ」などの個人間決済ができるサービス、あるいは銀行振込や現金書留を使って、かわいい甥・姪にお年玉をあげればよいと思います。

 今回、「年末年始の帰省離れ」が顕著になると予想されますが、その場合に一緒に減りそうなものをいくつか考えてみました。お年玉の出費以外にもけっこうあります。

 渋滞、交通事故、夫婦間の不和、高齢者のコロナ感染、土産や交通費の出費、(余計な)気遣い・気疲れ、親戚からマウンティングを取られる体験、体重……。もちろん失うものも多いかと思いますが、減るのは「案外いいもの」が多いのでは?

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。

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